2014年06月30日

人事・労務管理の今を表す統計


先月5月に厚生労働省が発表した「平成25年度個別労働紛争解決制度施行状況」は、会社と個人(社員・退職者など)の間で起きている雇用・労働関係の争いに関する資料であり、人事・労務管理の現場の「今」を表すものとして見ることができます。

この統計では、会社と個人との間で争いが起こっていることにより、当事者の一方が行政の相談窓口に相談した件数と内容が記載されていますが、その総件数の内19.7%が「いじめ・嫌がらせ」に関する相談であるとの結果が出ています。

この「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数の前年度との比較を見てみても14.6%も増加しており、右肩上がりで増えていっていることが見て取れます。

労働者を解雇することのハードルが高いとのイメージが、人事・労務管理の現場に蔓延しているため、会社を自主的に辞めてもらうように「簡易な仕事しか与えない」「理不尽な業務命令や人事異動」といったケースが行われることもあり、人事・労務トラブルとして大きな比重を占めてきています。

一方、解雇に関する行政への相談は、総相談件数の内14.6%という結果です。

この数字を見る限りでは、解雇相談も多くの比重を占めているように見えますが、平成22年度からは一転して相談件数が減少傾向にあり、前年度比較を見ても14.7%減少し、9年ぶりに相談件数5万件をきったとのことです。

解雇に関する相談が減って、いじめと嫌がらせに関する相談が増えるという状況が、人事・労務管理の現場の「今」を表しているように思います。

また、同じように相談が増えている内容では「自己都合退職」に関する相談が、総相談件数の内11%を占めており、前年度比較でも11%増加しています。

この内容を見たときに「自己都合退職なのにトラブルになるの?」という純粋な疑問が出てきますが、この自己都合退職に関する相談の内容が「会社を辞めたいのに、引き止められて辞めさせてもらえない」という内容が増えてきているとのことです。

まさに、人手不足が深刻となっている業界・業種から聞こえてくる「募集しても労働者が集まらない」「すぐに辞めてします」といった声を反映していて、これも人事・労務管理の現場の「今」を表しているといえます。

その他の相談内容を見てみると、総相談件数の内、労働条件の引き下げが10%、退職勧奨が8.3%、雇止めが4.3%と続いています。

これらの相談を行ったことにより、会社もしくは労働者に対して都道府県労働局長による助言・指導をしてほしいと申出た件数が約1万件ありますが、前年度に比べると3.3%減少しています。

さらに、助言や指導ではトラブルの解決に導けなかったため、第3者(行政機関・弁護士・社労士等)を入れて話し合いによるトラブルの解決を目指す「あっせん制度」の申請件数も前年度と比較して5.5%減少するという結果となっています。

この「あっせん制度」の申請内容では、解雇に関するものが26.6%で最も多かったものの、前年度比較で15.2%減少しています。

ところが「いじめ・嫌がらせ」に関する「あっせん制度」の申請は、前年度比較で13.6%増えており、会社内における「いじめ・嫌がらせ」といった行為が深刻化してきている人事・労務管理の現場の「今」を表しているといえそうです。


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posted by マサ at 15:08| 社労士日記