2014年07月31日

休職制度の重要性

近年、人事・労務管理の現場では、「病気や怪我によって通常通りに働くことが出来なくなった社員がいる」「働くにあたって著しい制限(短時間での勤務しかできないなど)が必要な社員がいる」といったケースが増えてきており、弊事務所にも相談が年々増えてきています。

これらの相談への対応は、患っている病気は何か、業務上の病気なのか業務外の病気なのか、健康な時に従事していた仕事はどのような業務なのか、社内でどの程度のポジションにいた社員なのか、勤続年数はどの程度なのか、会社の規模はどの程度なのか、会社の就業規則に休職に関する制度が規定されているのか、規定されている休職制度の内容はどのようなものなのか、といった多くの要素の中から問題解決の糸口を探っていかなければいけない難しさがあります。

これらの要素が一つでも変われば、解決策が変わってくるだけではなく、限定的な解決策しか行えないなどのケースが出てくるからです。

病気や怪我によって健康な時と同様の仕事が出来なくなった場合に病気等を罹患した社員は、雇用維持の不安、賃金減少の不安など多くの不安を抱えることになります。

一方会社の方も病気や怪我によって働くことに制限がかかる社員を「即解雇」という訳にもいかないため、全体の業務に与える影響や代替要因の確保、働けなくなった原因となった病気や怪我の今後の治癒展望などを総合判断していくことになり、難しい判断を迫られます。

そのため多くの会社では、健康な時と同様の仕事が出来るまで回復することを期待し、病気や怪我の治療に専念するために一定期間会社を休むことを認める「休職」を発令する運用が一般的といえます。

この休職制度は、法律に規定されている制度ではないため、休職制度を会社として設けるか設けないか自由ですし、設ける場合であっても、どの程度の期間会社を休むことを認めるのか休職期間中の賃金の取り扱いをどのようにするのかといった実務的な内容も会社の就業規則の定めによるところです。

しかし、近年の人事・労務管理の現場を見る限りでは、休職制度を設けないという選択肢は無いと言い切ってもよいでしょう。

「病気になって通常通り働けなくなったらクビ」という人事・労務管理は問題がありますし、かといって働けなくなった社員の雇用を維持し続けることが難しい局面も当然出てきます。

だからこそ会社としては、雇用を維持しながら健康な時と同様の仕事が出来るまで回復することを期待し、治療に専念できる時間的猶予「休職期間」を一定期間設けることで、会社としての責任を果たそうとしているといえます。

しかし、休職期間も無限にあるわけではありません。

休職期間をどの程度設けるかは、会社の考え方によるところですが、就業規則に規定している休職できる期間の上限は、数か月から数年までと会社によりバラバラなのが実態です。

さらに、休職の対象となった社員の勤続年数の違いによって休職期間に差がついているケースも多くあります。

この休職期間をどの程度設けるかについては、その休職として認められた期間が満了したときに治癒(一般的には、健康な時と同様に仕事が出来るまで回復している状態)していないのであれば、休職期間満了をもって「自然退職」とする規定が一般的なため、非常に重要な部分です。

これは、会社が雇用を維持できる上限と定めた期間を満了した場合は、一方的な解雇ではなく、自然と退職となる規定を就業規則において雇用ルールとして定めている(稀に解雇とする規定を設けている就業規則もある)わけですから、その雇用を維持できる上限をどの程度の期間にわたり設けるかは、会社として慎重に検討していくべきことです。

もちろん会社として判断する際には、結局は感情の生き物である「ヒト」が「ヒト」について総合的に判断していくことですので、規定として定めている、ルールとして確立しているといった一辺倒の考え方では感情の生き物である「ヒト」の問題を解決に導くことは難しいでしょう。

しかし、感情の生き物である「ヒト」の問題を解決するにあたって、「その判断材料となった基本の根拠とは何か」といった部分が無ければ、判断に大きな「ブレ」が出てきてしまいます。

その観点からも、就業規則において休職の規定をどのように設けていくのかについては、今後ますます重要度を増してくるといえます。

会社にとっても社員にとっても影響の大きい休職制度。慎重に対応していきたいところです。

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posted by マサ at 20:31| 社労士日記