2014年09月01日

人事・労務管理における、置かれた立場による物事の見方の違い

感情の生き物である「ヒト」が集う会社における人事・労務管理の現場では、「置かれている立場によって、物事の見方が360度変わってしまう」という事がよくあります。

たとえば、ある会社で社員の過半数を代表する「社員代表」として会社と労使協定等の交渉にあたっていたAさんは、「○○(社員にとって利益になること)を採用してほしい」と会社に対して要望を出していました。

今までの交渉の席でも会社との考え方の違いにより対立する事も多くあり、今回の要望も会社側からは「会社にとってメリットが無い」ことを理由に却下されてしまいました。Aさんは「社員の要望を何一つ聞いてくれない会社だ」などと話すなど、会社に対して不満を募らせていました。

その後Aさんは会社を退職し、自らのアイディアを形にした会社を起業して代表取締役に就任します。

事業も順調に成長し、何人かの社員を抱えるまでになった時にA社長の会社の社員代表であるBさんが「○○(社員にとって利益になること)を採用してほしい」と会社に対して要望を出していました。

その要望は、A社長が起業する前に勤めていた会社で自らが出した要望と同じだったのです。

A社長が社員としての立場だった時に必要だと思って出していた要望ですから、当然A社長は社員代表Bさんの要望を受け入れるものと思われました。

しかしA社長は、社員代表Bさんに言いました。

「会社にとってメリットが無いから採用できない」と。

Aさんのとった行動をどのように感じるでしょうか。

「結局自分が会社を経営する立場になったら社員のことなど考えなくなった」と批判的に見る人もいるでしょう。

「社員代表の時は労働者としての目線、会社の代表者となったときは経営者としての目線で物事を見るのだから当然」と肯定的に見る人もいるでしょう。

人事・労務管理の現場では、Aさんのように「置かれている立場によって、物事の見方が360度変わる」ということは珍しいことではありません。

よく「○○さんは部長になって変わってしまった」という話を耳にすることがあると思います。

部下からすれば「今まで我々の気持ちをよく理解してくれていたのに・・・。」と思うのかもしれませんが、ある程度のポジションにつけば広い視野(経営的感覚)で物事を捉えて部下を監督・指導しなければならない立場となったわけですから、上司の指揮命令下に完全におかれていた時とは物事の見方が変わるのは当然です。

ところが稀に広い視野で物事もとらえて部下を監督・指導しなければならない立場となっているのに関わらず、いつまでも物事の見方を変えられていない管理者がいます。

本人からしてみれば「部下の気持ちもわかる良い上司」とでも思っているのかもしれませんが、それだけでは組織の管理者として不十分であることは明らかです。

人事・労務管理の現場では、置かれている立場によって物事の見方を変えていかなければならない部分が多くあるわけですから、多くの部下を監督・指導する立場である管理者としての物事の見方、対応方法、立ち振る舞いを理解できないのであれば、管理者としての仕事を任せていくことはできません。

多くの部下を監督・指導する能力(マネジメント能力)と、仕事を遂行する能力(仕事力)とでは、求められる能力が違います。

会社の人材戦略の中で、多くの部下を監督・指導する管理者に誰を任命するのかは、その後の会社の業務生産性に大きく影響する重要な部分です。

仕事のできる人を管理者にすれば良いというほど単純なものではありませんから、置かれている立場にたった物事の見方ができ、かつ、部下を監督・指導できるマネジメント能力の高い人材(当然ながら社内で管理者となりうる社員を育てていく必要はある)を見極めて、管理者として任命するよう注意したいところです。

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posted by マサ at 10:27| 社労士日記