2015年09月30日

多様な働き方と公平性

感情の生き物であるヒトの集合体である会社における人事・労務管理の世界では、公平性の確保が最も重要な要素です。

同じ事案でありながらAさんとBさんで取り扱いを変えるということでは、労使の信頼関係を維持する事もできず、社内の人間関係にも亀裂を生みだしてしまいます。

ところが感情の生き物であるヒトは、時に他人がどう感じるかといったことに考えを向けることをせずに、自らにとって最も都合の良い状態とならないことに不満を感じるケースがあるのが現実です。

家庭内などの小さなコミュニティーの中であれば多少のゴリ押しも通用しますが、感情の生き物であるヒトの集合体である会社の人事・労務管理の世界では通用しません。

これはサッカーという厳密なルールの下に競われる世界で、ゴールキーパーでもないのに「私だけ手を使ってプレーさせてほしい」といっているようなものです。

そのようなことでサッカーとしての競技が成り立たないのと同様に、会社の人事・労務管理の現場でも「マイルールが通用する」ということはありえません。

ところが、このような人事・労務管理上の問題は、会社の規模や業種に関係なく全ての会社で起こりうるものであるため、初めてこのようなケースに遭遇した時に「面倒だから認めてしまった」という状況を目にすることがあります。

これは、声高に不満をぶつければ「なんとかなる」と思わせてしまう行為であり、今後も同じようなことが繰り返される恐れのある由々しき問題です。

「なぜあの人だけ・・・」という新たな不満の声が周りからあがるのは時間の問題でしょう。

あちらを立てればこちらが立たずといった状況は、感情の生き物であるヒトを扱う人事・労務管理の世界では当たり前のように繰り広げられるものですから、常に全社員の公平性が担保できるのか否かといった視点で物事を判断していくしかありません。

そのため事案による判断となりますが、不満をぶつけてきている問題が全社員の公平性を担保できないのであれば、「全ての社員を同様のルールに則って取り扱わなければ、会社の人事・労務管理をするうえで公平性が保てない」といった当たり前のことを丁寧に説明しなければならない場面が少なからずでてくるわけです

私が社会保険労務士として様々な人事・労務管理の現場で見て・聞いて・説明し・説得するなかで、このようなケースの際には「公平性を確保するための判断だ」ということを何度も直接語りかけています。

渋々ながらも納得してくれる人もいれば、全く聞く耳を持たない人もいるわけですが、職場の公平性を確保できるような方向性に持っていくために根気よく話していくしかありません。

個々人が抱える個人的な事情が色々あることは重々理解できますが、会社の人事・労務管理上の話では、その個人の事情を一つ一つ汲みあげることはできません。

近年、多様な働き方を提言する声が多く聞かれますが、ここでいう多様な働き方が目指すところも「マイルールで仕事ができる」ということでは決してありません。

あくまで通常勤務をしている他社員と公平性が確保できることが前提でなければ、多様な働き方という曖昧なネーミングだけが独り歩きしてしまいます。

多様な働き方をする社員を通常勤務の他の社員が支えあうといったものではありませんから、多様な働き方を選択するうえでは「権利を主張するだけでは、周りの理解を得られない」ということを自らが認識する必要があります。

会社の人事・労務管理の現場は、100人いれば100通りの考え、ものの捉え方をする人がいるわけですから、個人的な主張をしたいときは一呼吸おいて俯瞰で周りを見てください。

個人的な主張だけをいってくるヒトがいたら、そのことを面倒だと感じずに公平性の観点から丁寧に説明をしてあげてください。

誰かの犠牲のもとに成り立つような多様な働き方であってはならないと思います。

だからこそ、感情の生き物であるヒトの集合体である会社における人事・労務管理の世界では、公平性の確保が最も重要な要素となるわけです。

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posted by マサ at 11:22| 社労士日記