2017年02月28日

価値観における想像の域と実感の溝

既に初老と呼ばれる年齢に突入している私ですが、ここ20年で価値観が大きく変化していると感じています。

学生だったときに感じていた仕事をするということの価値観、結婚する前に感じていた結婚に対する価値観、子供が生まれる前の子供に対する価値観、開業する前の事業を行うということへの価値観、これらすべての価値観が異なる立場に身を置くことや経験を経て大きく変化しています。

一つの例を上げるならば、子供が生まれる前までは「これほど子供を愛し、成長を見守る責任感」を自分がここまで感じるとは思ってもいませんでした。

その立場に身を置かなければ「想像の域」をでないため、その立場に身を置いて初めて「実感」へと変わり、自らの価値観へと影響を及ぼしてきているわけです。

なぜこのようなテーマを書きだしたかといえば、人事・労務管理の世界でも価値観の違いからくるトラブルや問題に直面する事が多くあるからです。

誤解を恐れずにいうのであれば「想像の域」の立場の人が「実感」を持っている人の気持ちや苦悩を理解するのは非常に難しいということです。

たとえば子供を育てながら働く人が持つ実感と、独身で働いている人が持つ実感は大きく乖離していますし、病気を持ちながら働く人の実感と、健康で働く人の実感も大きく乖離しています。

その乖離とは「想像の域」と「実感」の溝なわけですが、一方が「想像の域」で語られることを否定し、一方で想像の域であることを「さも実感であるように」語ることで、修正する事の出来ない溝を深めてしまうことがよくあるものです。

皆さんにも思い当たる節があると思いますが「想像の域」をでていない価値観を「私は貴方のことを理解している」という気持ちで話した結果、逆に怒りをかってしまったり、失望感を与えてしまったりするようなケースです。

このようなケースを見ていく限り「想像の域」での価値観は「実感をもつ」価値観の心理に近づくことは容易な事でないことがみえてきます。

私は仕事柄なるべく俯瞰で物事を見るように意識していますが、それでも私個人が持つ価値観に考え方が引っ張られてしまうことを否定できません。


様々な価値観をもつ人が集まる人事・労務管理の世界において、異なる価値観を認め合うというのは容易なことではなく、自らが持つ価値観が正しいと思うあまり、その価値観を押し付けてしまうことが多くなるのは、感情の生き物であるヒトである以上やむを得ないところかもしれません。

だからこそ人事・労務管理の現場においては「人それぞれ価値観が違うのは当然」と割り切っていくほかないと考えています。

それを言ってしまったら元も子もないと思われるかと思いますが、価値観の違うもの同士の議論が噛み合う場面を見たことがありません。

たとえば人事・労務管理とは関係ありませんが、国家論などにおける右派・左派の双方の主張が噛み合うことはなく、建設的な議論にならないのが典型的だといえます。

つまり個々人が持つ価値観とは、自らの「実感」によってのみ作り上げられてくる感覚であり、他人に諭される、説得されることによって簡単に変えてしまうことのできるものではないと言えるのではないでしょうか。

そのような観点から人事・労務管理の現場において価値観を考えるのであれば、結局のところ価値観の違う人・合わない人を採用しないというところにたどり着いてしまいます。

もちろん価値観とは様々な物事に対して持ち合わせているものですから、全ての価値観を共有することは不可能です。

しかし、会社が目指している方向性や人事・労務管理における考え方において、絶対的な価値観の違いを避けるために、採用面接の場において一定の情報を公開し、価値観の違いによるミスマッチを起こさないようにするだけでも効果はあると思います。

ヒトは価値観を簡単には変えられないわけですから、採用選考の段階で同じ行先のバス(目指すべき方向性が同じ)に乗れる人を見極めていきたいところです。

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posted by マサ at 16:38| 社労士日記